渡辺薫彦元騎手が昨年いっぱいで引退し、所属厩舎である沖芳夫厩舎で調教助手に転身した。 いずれは調教師を目指すそうである。 まだまだ若く、もっとやれそうな気がするが、本人が決めたことである。調教師としての活躍を祈るばかりである。 渡辺元騎手が調教師を目指すことにしたのは、師匠である沖芳夫調教師の強い勧めがあったそうである。沖師とすれば、愛弟子である渡辺元騎手に厩舎を引き継いでもらいたい、という気持ちもあったであろう。 これからは調教師と調教助手としての師弟関係が始まる、というわけである。 師弟関係といえば、最近は沖師と渡辺元騎手のような濃密な師弟関係を築いているケースは随分と少なくなった。 今の騎手は実力がつくとすぐフリーになってしまう(事情があって仕方なくフリーになった者もたくさんいるが)。もちろん、師匠の勧めもあるだろうが、かつての福永騎手や松永幹夫現調教師のように、師匠が定年で辞めるまで所属騎手として厩舎に残り続ける騎手は数えるほどしかいない。 もちろん、騎手にとってフリーになるということは固定収入が無くなるということで、リスクを伴う行動ではある。 そのうえ、今はフリーになることが騎手としてのステップアップにつながるとは限らない。 昔のように実力さえあればお手馬が集まる時代ではないのだ。フリーになることが失業することと同じことになってしまうことの方が多いのだ。 こういう時代だからこそ、調教師と所属騎手は強い信頼関係を築かなければならないのではないかと思う。強いお手馬を集めるだけでなく、厩舎スタッフが一丸となって強い馬を作ることも絶対に必要である。 少し勝ち鞍が増えたからといって、すぐにフリーになるのは考えものである。自らの騎乗技術とコネクションに自信があるなら話は別だが(*_*)
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