そして1日はウオッカの命日.. 去年の10月のこと。 凱旋門賞を観戦に訪れていたパリで、急に思い立ってイギリスへ行ってみることにしました。 ロジャー・ヴァリアン調教師に連絡をして、日帰りでイギリスのニューマーケットへ。 当初は馬のセリを見て帰ってもいいかなと思っていたけれど、師のお許しが出たのでお墓参りをさせてもらいました。 乗り換えのロンドンのセント・パンクラス駅で勝負服カラーの花束と、美味しそうなリンゴを購入。 ニューマーケットは何度か行ったことがあったので、乗り換えもうまくいった。 ローカル線で乗り損なうと一時間は来ない。 小さな中庭に墓碑はあった。 小鳥たちが毎日やって来て、さえずって賑やかなのだそう。 厩舎スタッフがガラスの花瓶を持ってきて、墓碑を撫でて涙を流す私に 『こちらにお花をどうぞ』と勧め、そのまま席を外してそっとしておいてくれました。 ざっと20分ほど。 少しだけフランケル牡馬のことを聞いて、体質が弱くて1度入厩したものの、すぐに放牧に出てしまったこと。 最近公表された名前も『まだ仮の名前ですが』といわれつつ教えてもらいました。 ただし、関係者の末席にいるものとして、オーナーが公表していないことは口外しないのは当然のこと。 厩舎を出て、ニューマーケットの中心で軽くランチを食べ、セリ会場へ。 ここで調教師の奥様にお会いしご挨拶。 『うちの厩舎にウオッカのお墓があることをどうやって知りましたか?』 と聞かれ、 『何日か前のスポーツ紙に出ていました。でも厩舎にファンが押し掛けて来るようなことにはならないと思います』 とお答えしました。 ウオッカの産駆を預かるという縁で、骨折手術明けのウオッカの療養の場を提供し、残念ながら亡くなった。それだけの縁でファンが押し掛けても困るでしょう。 ウオッカはたてがみだけではなく、きちっと荼毘にしてもらい、遺骨として眠っています。 イギリスの名門厩舎。そのホースマンの『異国のダービー馬』に対するリスペクトの気持ち。 墓碑に刻まれた言葉がそれを物語っています。 心から尊敬し、感謝いたします。 ちなみに凱旋門賞挑戦前に調教を繰り返していたフィエールマンとブラストワンピース、すぐ隣の厩舎に滞在していて、毎日調教の様子を見ていたそうです。 『どうでしたか?』 と意見をお聞きしましたが、そのお返事は内緒ということで。
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